テニスの価値

実に半年ぶりのブログ更新となりました。
随分、空いたので書くことに緊張があります・・・
先日、と言っても1月末ごろですが・・・日本テニス事業協会の25周年と日本プロテニス協会の40周年の合同セミナーがありました。
私は日本テニス事業協会の会員として参加させて頂きました。
テニス界と無縁の方はびっくりするかと思いますが、テニス界にはたくさんの団体が存在します。
日本テニス協会、日本プロテニス協会、日本テニス事業協会、日本女子テニス連盟、日本車いすテニス協会と私が知っているだけで5つあります。これに高体連や中体連、体育協会などがあります。
これだけの横のつながりをまとめるのは大変ですね。

今回のブログはそういうことではなく、先日の合同セミナーの中身の事です。
公益財団法人日本サッカー協会の川淵さんの講演がありました。
実に的を得た内容でした。私は正直サッカー知識はほとんどありません。
しかし、前職ミズノにいた時、ちょうどJリーグが1993年に開幕しミズノがメインスポンサーでしたのでとてもJリーグの開幕は印象深い思い出の一つです。
講演の中で川淵さんはJリーグ発足前の当時はろくなグランドすらなかった。と言っていました。
現在はDAZNと10年間で2100億の放映権を結ぶ事業に成長しているんですよね。
1993年からわずか24年です。なぜでしょう。
サッカーというスポーツのそもそものポテンシャルがあったからでしょうね。世界3大スポーツと言われる一つなので競技人口もそうですが、ビジネスとして世界に市場があるんですよね。
だから、日本国内で”サッカーの価値”を如何に高くするかの一点で勝負すれば、世界中にチャンスが広がるんだと思います。これはスポーツに限らずビジネスなら全てに共通する話だと思います。
確かに、当時のスーパースターの存在があったこともありますが、Jリーグが始まる前から、ラモスもカズも武田もサッカーはやっていたわけで、サッカーの価値の向上=選手の魅力につながると思います。
その道筋として重要な要素がTVの放映です。1993年Jリーグ開幕時に、もしTV放映がなかったら、どうですか?
今までサッカーなんて全く興味を示さなかったタイプの人達、例えばOLさん、女子学生、お年寄り、小学生など、部活動とは無縁の人たちをサッカーのTV放映という戦略でとりこにして、一瞬にしてスポーツビジネスのメインストリームに導いたわけです。
サッカーはプロ化により急成長したわけです。

もう二つ、今回の合同セミナーの中で重要なポイントがあったように思いました。
一つは、松岡修造さんの講演の中で、育成強化から普及に力を入れるという点です。
それは、小学生にです。今年から小学生の授業の中でテニス(プレイアンドステイ)を採用しても良いという指針が出されました。義務化ではないのですが、小学校でテニスを体験することで、TVで見るテニスと自分のテニスの比較をしますね。
少なくとも今よりもテニスをしたいと思う子供は増えるし、情報が必要になります。
しかも、松岡修造さんや伊達公子さん、杉山愛さん、浅越しのぶさんらが、もし小学校へ普及活動を始めたらどうなるでしょうか?
松岡修造さんもオリンピック以降は普及!と断言していましたので、たぶん、そいう活動が増えんでしょうね。「修造チャレンジ普及版」みたいな感じ!

すでにテニスは学校以外で活動しているスポーツの第3位です。1位は水泳、2位はサッカー、3位はテニスです。小学校の授業に採用されていないのはテニスだけです。
採用されなくても、第3位なんですよね。
最近ではダンスが授業に取り入れるようになり、ダンス教室にたくさんの子供が増えました。
英会話、英語教室も同じですよね。小学校で採用されると子供たちに一気に増えるんです。
なぜでしょう。

子供たちが自分で選ぶことができる段階は中学生からがほとんどです。
それまでは、子供の環境に応じて親が決めるというか、推薦するというか、勧める習い事が多いんですね。
水泳も親が決めてスタートです。ピアノや習字、そろばん、公文といったものは親が始めて欲しいと思う習い事です。
中学校の部活動になりようやく自分で選ぶスポーツになるんです。
しかし、小学生の時に体験したものが大きな影響を及ぼします。ということは、テニスに触れる時間が長くなることが大きなプラスになりますね。

もう一つ重要なポイントは政府が発表した「スポーツの成長戦略」です。
現在のスポーツ市場5.5兆円を2025年までに15兆円に拡大するということです。
国民一人当たり平均12万円をスポーツに年間に使うということです。
��?ということですよね。国家予算が90兆強ですから。私が理解できていないのか?どうかわかりませんが具体策を知りたいですね。
しかし、15兆円を目指せば、15兆円にならなくとも10兆円になったらすごいですよね。約2倍です!
でも、ここで私の単純な考えは、テニスは成長産業ではないんです。
成熟産業なんです。成熟産業=衰退ではなく、すでに日本国内、世界では成長産業となっているわけで、さらにここから成熟度を増す為にはイノベーションしかないと思います。
破壊的イノベーションこそがテニス事業をさらなる発展に導くと思います。
この合同セミナーで早稲田大学の間野教授は公開ディカッションの中で各協会首脳陣にイノベーションについての質問をしていました。しかし、現段階で間野先生の問い対して答えられる人はいませんでした。
協会首脳陣が答えられないのではなく、現時点で答えがあったらイノベーションじゃない。わけです。
無くて当然で間野先生は答えが無いことをわかっていて聞いてるんだと思います。
テニス事業者はイノベーションという観点で事業を見ていますか?
ということだったんでしょうね。
だから、目的からの手段展開に入らないと生き残れない時期に来たということということ間野先生の話で実感しました。
この合同セミナーの中で川淵さんからの点で考えれば、テニスの価値を上げて、TVを使い全世界へ放映すること、松岡修造さんの小学生にテニスを普及させる活動の徹底、間野先生のテニス界の破壊的イノベーション。
この3つを柱に全協会が垣根を越えて一致団結すれば日本のテニスはすごいことになるのでないかな。

以上、なんの根拠もありません。私の個人的な解釈です。

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