テニスの国際大会を開催するには、トーナメントレフェリー、アンパイヤが必要です。大会規模、グレード、賞金総額によって必要人数は異なります。
大会を開催するためのお金はあっても、開催する為の審判員が揃わなければ開催できないわけです。国内在住者が不在の場合は国際資格をもった方を海外から呼ばないといけない可能性もあるわけですね。
これは大変大きな問題、私が1999年にITF 屋島国際女子オープン1万ドルという下部大会の開催を計画していましたが、ITF (国際テニス連盟)の認可は出たものの、結果的に大会開催キャンセルになりました。理由はいくつかありますが…。
中でも、レフェリー、アンパイアを揃えることにも苦労した記憶があります。今はレギュレーションも変わっているかもしれませんが、下部大会でも、ブロンズアンパイアが1名必要だったかと思います。その他にもラインアンパイアをつけたり。
1日では終わらないので、一週間くらい滞在する必要があるので経費もかかるわけです。
しかも、グランドスラムだと、シルバーアンパイア以上とか資格が重要なんです。アンパイアの資格はゴールド、シルバー、ブロンズと3つに分かれています。
日本はゴールドアンパイアは1名しかいません、シルバー、ブロンズ合わせても5名。この数は国際的に見ても極端に少ない…。資格を取らないのか、取れないのか、それとも取っても活用できないのか…。アンパイアとして生活できないのか。
要するに海外ではレフェリー、アンパイアはすごく名誉な仕事として認められています。ウィンブルドンの決勝戦後には選手の前に主審にプレートがチャールズ皇太子から授与されます。ちゃんと社会から認められている存在なんです。
しかし、日本ではジュニアの大会を見ても、セルフジャッジは当たり前で、ロービングアンパイア(巡回者)も空いてる人誰かやって。くらいのボランティア感覚。負け審(一つ前の試合で負けた人が次の試合の審判をする)もまだ存在しているかもしれません。オムニコートだと雨でも試合するので傘さして負け審やるんですかね?
負け審もいい練習になる。という指導者もいますが、私は負けた後、すぐに次の人の審判を冷静にやれ。と言われてもできませんね。(性格かもしれませんが)昔子供のころ試合に負けて、悔しくて腹も立って会場の一つしかないトイレにこもって怒られた記憶もあります…。
かなり前ですが、アメリカやフランスで見たジュニアの大会は、セルフジャッジですが、ロービングアンパイアはちゃんと資格(協会の資格)をもった方がやっていました。リタイヤしたご年配のテニス愛好者だと思います。お揃いのカッコいいアンパイアらしいウエア、キャップを着てました。子供に話しかけたり、(試合後のアドバイスかも)マナーやルールを指導する立場なんでしょうね。
日本のテニス界もアンパイア、レフェリーの普及が国内で国際大会を増やすベースだと思います。競技レベルを向上させて国際大会に出場したくても、自国でポイントを取りランキングを上げることはできません。いきなり、海外にトライ。というわけです。しかし、イタリアのように111大会も国際大会があれば、いつもどこかで国際大会が開催されているわけですね。トライもしやすいし、チャンスも多い。
そのためには、大会を運営する、スポンサー、レフェリー、アンパイアがいなければ、持続できないわけです。1回きりのイベント的大会ではなく、持続可能な国際大会の普及とレフェリーアンパイアの普及は急務。
しかし、その一方ではデジタル化も進んでいますので、この先ウィンブルドンの主審台、ラインズマン、ボールパーソンという光景も消えるかもしれません。
私はウィンブルドンだけは無くさない気がします。
理由はそれがウィンブルドンだからです。
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